元夫がローンを支払わず、任意売買を行った例
離 2018.0707東京都練馬区に住むYさん。
Yさんは前年に3人の子供を引き取って離婚をしました。調停で離婚をしたYさんは、離婚の条件として「マンションはもらう。そのマンションに子供と共に居住する。マンションのローンは別れる夫が払う」という内容を求め、夫もそれを了承しました。
しかし、Yさんが任意売却センターへ相談にいらっしゃった時点で、元夫の携帯電話はつながらず、そして元夫の実家に電話をしても「知らぬ存ぜぬ」の答えが返ってくるばかりでした。住宅ローンはすでに6か月も滞納していて、銀行の担当者も頻繁に訪問してきているとのこと。
Yさんは連帯保証人です。この元夫が出てこないことには任意売却もできません。この場合、元夫が出てくるか、競売になるのを待つしかありません。Yさんは、元夫の友人関係に連絡を取って行方を探しました。幸い、代位弁済はまだされていなかったので時間はありました。
ある日、Yさんのお父様から電話が入りました。「私が購入しても良いのですが、あのマンションはいくら位ですかね?2,000万円までなら用意しますけど」とお父様からの思いもよらないウレシイ提案です。しかし、所有者の元夫の印鑑がなければどうしようもありません。
そこで、M銀行の保証会社であるM信用保証に連絡をし、Yさんのお父様とは言わず、購入希望者がいるので任意売却をしたい旨と、購入申込書、配分表をファックスしました。3日後には、1,850万円で良いとの回答が得られました。
Yさんのお父様に連絡をすると、お金は用意してあるとのこと。これで、元夫が出てきてくれれば解決です。Yさんには債務が残りますが、このまま子供達と共に暮らしていくことができます。
それから半月ほどして、競売開始決定の特別送達が送られて来ました。Yさんにも、Yさんのお父様にも、任意売却センターのスタッフから事前に、今後の流れや届く書類などの説明がなされていたので、Yさんたちはまったく慌てませんでした。この競売開始決定通知が届いてから約1か月後に、Yさんの執念で元夫の居場所を見つけることができました。
任意売却センターのスタッフがこの元夫を司法書士のところへ連れて行って本人確認を済ませ、委任状に判を押させました。元夫が決済時に現れなかった場合を想定して準備するモノを揃え、用意周到に事を進めました。
案の定、元夫は約束をしてくれたにもかかわらず、決済の日にはとうとう姿を現しませんでした。しかし、事前の準備ができていたので無事に決済は終わり、Yさんは子供達とこの物件に住み続けることができて、お父様も安堵なさっていました。