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住み替えについて(後編)

2018.0515

<売り先行・買い先行それぞれのメリットとデメリットは?>
①売り先行は資金計画が明確になりますが、仮住まいが必要
売り先行とは、住んでいるご自宅をまず売却し、売れてから住み替え先の住まいを買うパターンです。
メリットとしては資金計画が明確になるため、安心感があることが挙げられます。理由として、たいていのケースでは売却して手元に残ったお金を自己資金の一部に充てて、住み替え先の住まいを購入するため、自己資金がいくらなのかはっきりしており資金計画に不確定な要素が少なくなるためです。また、売却しても手元にお金が残らない場合も、住宅ローンは完済できる範囲で売却活動を行う(または、足りない部分は自己資金を用立てる)ため、あとは購入のみに集中することができます。
尚、売り先行の場合のデメリットは、多くの場合、仮住まいが発生することです。ご自宅を先に売ってしまうので、住む場所を確保するため一時的に賃貸住宅などに住まわなければならなくなります。賃貸住宅を探すときの仲介手数料や礼金、仮住まい中の家賃、引越し費用などが売却費用・購入費用とは別に発生します。

②買い先行は二重ローンがネック
一方、買い先行は住み替え先の物件の購入を先に済ませ、あとから以前のお住まいの売却を進めるパターンです。
メリットとしては仮住まいの必要がありません。
ですが、買い先行には二重ローンの発生という大きなデメリットがあります。住み替え先の住宅を購入して入居してから、旧居を売却して買主に引き渡すまでは、旧居と新居の住宅ローンを二重で返済しなければなりません。さらに、二重ローンは、特に、金融機関により審査が異なり、審査が通らなかったり、通っても融資額が減額となる可能性もあるため、パートナーの不動産会社と綿密な資金計画を行っておかないと、せっかく見つかった住み替え先が買えない…ということにもなりかねませんので注意が必要です。


<高く売って安く買うためのタイミングとは>
売り先行か買い先行かは相場の動きにもよる
また、売り先行がトクか買い先行がトクかは、そのときの不動産相場の動きにも左右されます。というのも相場の動きには波があり、上昇基調なのか下落基調なのかによっても状況が異なるためです。

仮に相場が上昇基調であれば、買い先行のほうが物件価格の安いときに買って、高くなってから売れる可能性があります。逆に下落基調のときに売り先行にすれば、相場が高い時期に売って安くなってから買えるでしょう。
ただ、不動産の市場は季節の移り変わり(=人の移り変わり)に合わせ、3ヶ月周期で変化するといわれており、変動の激しい中、ご自身のみでこのタイミングを判断されることは非常に難しいかと思います。このため、みなさん信頼できるパートナー(不動産会社)と共に、大切な資産であるご自宅の売却を進められているのです。

<売り先行と買い先行はどちらが多いのか>
買い先行は売主が不動産会社の場合が多い
このように売り先行と買い先行にはそれぞれメリットとデメリットがありますが、実際にはどちらのケースが多いのか、またどのような場合「売り先行」「買い先行」となっているかというと、まず「買い先行」は、住み替え先の売主が不動産会社(法人)の場合が多いです。
理由として、売買契約時に「買い替えが成立しなければ売買契約を白紙に戻す」という旨の「買い替え特約」を付けることができるケースが多いです(売主が個人の場合も付けることはできますが、リスクがあるため難色を示されるケースも多いです)。また、このような特約を追記する際、媒介契約を結ぶときに、売れなかった場合は査定価格より低い価格で仲介会社が買い取る「買い取り保証」を付けることができる会社を選ぶことがポイントです。

個人が売主の物件への買いかえは仮住まい前提で売り先行
一方、個人が売主の中古物件に買いかえる場合は、上記のような買い先行は難しいケースが多いです。
二重ローンが可能であれば買い先行でも良いのですが、そうしたケースは多くはありません。いったん仮住まいすることを前提に売り先行で売却し、その後に住み替え先の住宅を探すのが一般的でしょう。
売却が先か購入が先かは、購入する物件や資金計画などによって変わってきますので、不動産会社とも相談しながら、慎重に進めていかれるのが賢明です。


 

この記事を書いた人

福島 秀尊エージェント

福島 秀尊 エージェント

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